辰巳用水
石川県金沢市小立野2丁目
2023年
辰巳用水（たつみようすい）は、石川県金沢市を流れる約11kmの用水路。
3代加賀藩主・前田利常の命により、1632年（寛永9年）に板屋兵四郎が完成させたといわれています。1631年に発生した金沢の大火災が建設の契機になったとされており、金沢城の防衛・防火のための用水を導水する目的で掘削されました。途中、長距離のトンネルがある難工事でしたが、工事開始から1年足らずで完成に至ったとされています。
土木学会選奨土木遺産
辰巳用水関連施設群は、小立野台地系を巧みに利用した隧道と開渠・暗渠によって金沢城内外を潤す水路と、横穴・管理道・伏越・専用水路などの関連施設群です（竣工年：1632(寛永9)年以降 / 平成30年度選奨土木遺産）。
種別Ｐ 転落防止柵
そんな歴史ある用水路に転落防止柵をご採用いただきました。材質はSS400 平鋼で、種別Ｐの条件を満たしつつ、透過性の良いメンバー構成となっています。用水路へ降りていくための管理用の扉も製作しました。
金沢美術工芸大学の新キャンパスが隣接
地域に開かれた大学を目指してキャンパスには塀や門は設置せず、住民らが気軽に立ち寄れるよう整備されました。
遊歩道にはベンチも設置され、お弁当を食べたり、季節ごとの花や緑を楽しむことができます。
約400年前に造られた辰巳用水。今も変わらないその緩やかな流れは、金沢の人のくらしと深いつながりをもち続けています。
